2011年8月18日木曜日

ロンドン観光?

ロンドンに行く決意を。水曜の午後、やっとの思いでロンドンに行く決意をし晴天の中また独り歩き出した。旅の自由は俺の足を止める事をやめない。路上に立ち、親指をあげる、ヒッチハイクは始まった。なかなか止まってくれない。それでも六時間かけて七回のヒッチハイクを繰り返し目的地のロンドンに到達した。途中豪雨に襲われ、寒さの中、高速の真ん中で雨に打たれながらヒッチハイクをしているときはさすがにまいった。着いた後にも宿探しには手間をかけ迷いに迷った末、二件のバッパーを見つけ、止まる場所は確保できた。ロンドンは高い。一泊14ポンドから20ポンド。、約14人から21人部屋でそれだ。たまらなく笑いが出る。交渉もきくような所ではなくしかたなく払わされる。予約はいっぱいで、毎日部屋を変えざらない状況にもあった。そしてここでは外国人の旅行者が大半を占め、特にイタリア、フランスそしてスペイン人に囲まれて過ごす日々となった。もちろんほとんどが英語を片言しかしゃべれなく、会話には苦労をした。
初日、ヒッチハイクの疲れもあり早めに床に着き体を休めた。
二日目、街を歩き歩き、時間を潰し夜に備えた。夜は、すぐ近くのバッパーで数人のイタリア人とビールを交わし限りある会話の中で酔いにはいりだした。近くで音楽を聴いていたフランス人のジェズに会い音楽の話が意気投合して仲良くなった。ジェズはイギリスに一年ほど滞在していたらしく、英語はよく通じ、ロンドンの歩き方もよく知っていた。彼はちょうど引っ越しをする間際でその週は止まる場所もなく、夜をパーティーで過ごし、朝から公園で睡眠を取るという生活をしていた。おもしろそうだ。どこに行くかというとファブリック、ドラム&ベースが流れるロンドンで誰とも知る、かなり有名なクラブだ。聞くとDJ Markyが今夜プレイするという。すぐさま決めた、今夜はそこだ。二時間ほど路上で時間を潰した。一緒にいたイタリア人とも仲良くなり、イタリアニーズという言語を勝手に作って話は盛り上がった。簡単にいうとでたらめイタリア語だ。発音を真似して英語を混ぜてけっこううけた。それだけ英単語がイタリア語にもあるのか意外にも通じるときがあり笑えた。そしてファブリック。百人以上並んでいただろうか、深夜12時を回ったときには既に行列ができていた。どれくらい待っただろうかわからないほど、会話に盛り上がり、飲んだくれていた。中に入ると地下に向かう階段が、そしてそこはまるで迷宮、入り組んだ地下トンネルにいくつものステージが隠れている。迷子になりながらいろんなステージを見て回った。仲間ともはぐれたら、見つけるのは困難、それでも中では出会ったりはぐれたり。外に出て一服。中に入って迷子。そうしてマーキィーはメインステージで始まった。いつの間にかみんなとはぐれていたが、これだけは見逃せない。豪快なサウンドシステムの中、サンバ系のベース音が体をダンスへとかり出した。辺りは騒然とし空気を泳ぐようにして重低音をかきわけた。はぐれていた仲間とも再会し共に流れる音楽に溺れた。コンサートが終わると急に蒸し暑さに襲われ外へと足を運ぶ。晴天は目に滲みる針のように虹色に刺さり、冷たい空気は乾ききった肺に氷のように流れ込む。一日の終わりであって始まりでもある。マクドナルドで時間を潰した後、倒れるように床に着いた。
同じような事の繰り返しのように始まった一日は、似た者同士が集まり、単調な一日として流れ、記憶には漠然としてしか残らない。曇り空の一日は憂鬱で二日酔いのまったりした生活には似合わない。疲れきった体は重く、あおる酒はごまかしであり楽しみではない。しかしながら一日は過ぎていき無理をする体は気持ち以上に活動し真夜中の街へと連れて行く。そんな中歩いたオールドストリートは途切れ途切れ記憶に細切れの写真のように残った。朝四時頃だろうか、帰り道のバスの中、急に飛び降りた。降り遅れたと勘違いしあわてて外へ出たのだ。一緒に飲んでた仲間がバスの中から驚いている。歩いて帰るはめになり重たい体をロンドンの西から東へと動かした。揺れる風景は目に入る事さえできず、見る事のできない景色は記憶にはっきりとは写らない。飲み過ぎとは面白くない事だ。
我に返った次の日は晴天。気分転換に公園へ出向く。ハイドパークはロンドンでもお気に入りの場所でとても大きく自分の居場所を与えてくれる。家族がピクニックをしている。年寄りが鴨と戯れている。若者が音楽を弾いたり本を読んでいる。子供達がかけっこやローラーボードで通り過ぎていく。ランニングやサイクリング、サッカーやバトミントン、穏やかな生活は俺を満たし生きた心地に戻してくれ、また気分のいい一日が始まった。半日をごろごろのびのびと公園で過ごした後、街を歩いてみてロンドンの街並と雰囲気を味わった。古い建物に囲まれきれいな街だと思う。ロンドンでは天候の話が盛り上がる訳がわかる。天候がそこにいる人たちの多くを左右する。その日はゆっくりとロンドン見物をしてバッパーに帰った。皆に今までどこにいたのかと心配されていて笑えた。面白いスペイン人のグループにも会った。日本の文化にかなりの影響を受けていて、アニメのような格好と、何かのキャラクターのように日本語を起用する奴らで笑いを誘ってくれた。その日はお酒を控えめにし皆との再会を誓い眠る事とにした。
五日間で200ポンド近く使ってしまった。旅の予算はこのままでは続いていかないがロンドンだからしかたないと財布の中にため息をついた。帰り道の途中、先週、監獄から出たばかりだと言うおじさんに会い一時間ほど話をした。イギリスの過酷な労働階級社会と、生き詰まる時代に取り残されていく、はみだし者達について語った。ヒッチハイクで帰るつもりだったが一時間ほどハイドパークで時間を潰した後、ロンドン人の多忙な人の時間のなさと溢れ出た疲れのためバスでブリストルに向かった。

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