小言館


旅の勧め

なぜ大学卒業とともに就職に着かなければならないのだろうか。なぜ会社側は新卒の社員を欲しがるのだろうか。一年ほど旅に出さしてやって世界を見て、肌で経 験をした人はもっと面白い考えや発想を持っていると思えてならない。二十代の旅する物に補助金が出てもいいくらいの経験を絶対に持ち帰ってくるだろう。そ んな中、就職難だとメディアは叫び狂いまた一年また一年と若者をデスクの上に身を縛らせる。
金持ちの娯楽だと思っている人もたくさんいるだろうが、観光をここで勧めている訳ではない。観光には金がいる、だが旅はそこまでの費用はいらない。行けばわかるようになるが、思っている以上にコストの削減はできる。

ヨー ロッパの国々では、大学もしくは大学駐在中、もしくは高校後、外の世界を見に一年ほど旅に出ている人がかなりいる。楽しいことばかりだが、外に出たとき、 ただ遊んでいるだけにしても、そこで学ぶことは多い。年をとってからでも旅に出れると思ったら大間違いだ。仕事が始まったり、家族ができてからでは時間が なくなってしまう。それに若いうちにできる経験ほど役にたち、思い出に残り、将来性がある。外の世界は怖いだろう、将来に不安が出てくるだろう、何を目的 にしていいのかわからなくなるだろう。だがそれはメディアという日本社会によって脳裏に埋め込まれた保守的な老人達の道理だ。
確かに他の国は日本ほど安全ではない所もあるが、テロに巻き込まれる可能性なら日本で交通事故にあうほうが確率的にも高いし、強盗でも事故にでも巻き込まれ なければわからないことがたくさんあり、それに応じた対処法を学ぶこともできる。旅なんて将来的になんの役にたつだろうか、そんなこと行ってみなければわ からない。その目的とはなんだ、そんな物は考えなくていい、必ず何か刺激を受けてくる。ただ、日本国という恵まれた国家に生まれ、守られ目前にある経験と いう機会をみすみすなくすような人の考え方しかできないのなら少し寂しい気がする。何人かで旅をするのもいいだろうが、同じ考えをもつ物は少なく、計画や 資金の違いなども出てきて面倒になりやすい。一人で旅をするのは寂しいときもあるが、一人だからこそ人との出会いを大切にできることがある。
英語ができないからといって、怖がっていたらどこにも行けはしない。旅先で片言の英語も話せない旅人にもあったがそのぶん旅を楽しんでいたし、苦労も経験もし、今からは英語は必要なんだと実感し習得に努力を費やしている。いつだって決して遅くはない。
その人はコミュニケーションの大切さをよく知っていた。
一生懸命がんばれば心は通じると教えてくれもした。
旅では人との付き合い、自分のありかた、知識への興味、人の人生、音楽、などを学ぶいいきっかけとなった。そしてとにかく旅とはとても楽しい。
体力的にも積極性にも、年をおう前に旅をすることをここで勧める。


 
御託

ヨーロッパのほとんどの学生は国から学費を借りて学校へ行く。卒業してから働いて金を国へと返すのが一般的らしい。国民に技術を身につけさせるのは国の役目と。日本もそうなってほしいものだ。

日本では高校卒業後、進学、就職というのが大半の常識ではあるのでないか。17という若さで自分の進路を決めなくてはならない。興味のない専攻で教育を受け、新卒者という名の下にメディアによって就職率の不安を担ぎ上げられ就職。それからは重い束縛と狭い選択肢によってそれが普通だと、人生のレールを生きている人が多いようで淋しい気もする。そこで旅をここではお勧めするのだが、別に旅だけではなく、人生にはもっといろんな選択肢がある事を知ってほしいことと、好きな事をする権利があることを学んでほしいとここで主張したい。